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タマホーム株式会社代表取締役社長 玉木康裕様

タマホーム株式会社代表取締役社長 玉木康裕様
タマホーム株式会社代表取締役社長 玉木康裕様

2015年3月末、当社の恒例イベントになる新年度キックオフが開催されました。約700名の全社員が集まる中、特別企画として、タマホーム株式会社代表取締役社長 兼 CEO・玉木康裕様と当社 代表取締役副社長・吉弘京子による「トップ対談」が行われました。対談では、創業から現在までの道のりやその中での苦労話、また社員に対する経営トップとしての思いなどについて熱い議論を交わされました。トップ対談第3弾として、そのときの詳しい内容を前編と後編にわけてお伝えします。(前編)

お互いの第一印象

司会

まず最初のテーマは、お互いの第一印象についてです。お二方とも、私から見た印象では、情熱的で、パワフルな雰囲気をお持ちですが、玉木社長から見た京子代表の第一印象、そして、京子代表から見た玉木社長の第一印象を、それぞれお伺いしたいと思います。

玉木

先日我が社の社員と一緒に代表にお会いした時、社員が「吉弘代表ってオーラがありますよね」と言っていました。私も全く同じように思いました。ただ、一方ですごく繊細な一面もあるように感じました。何よりも、御社でご馳走になった料理はとても美味しかったです(笑)。ご馳走様でした。

吉弘

玉木社長と初めてお会いしたのは昨年の夏ぐらいでしょうか。久留米商工会議所の本村会頭らとお食事をした時でした。玉木社長とは同じ郷土の出身で、年齢も近いのですが、お会いする前は「タマホームの社長ってどんな方なんだろう」と興味津々でした。お食事の場では隣に座らせて頂いたのですが、色んな話を聞かせて頂く中で、とにかく「パワフルな方だな~」という印象が今も強く残っています。

その後、弊社にお越し頂いて手料理を振る舞わせて頂きました。その際、どうしても玉木社長にお会いしたいという地方出身の知り合いの経営者がおり、お食事会の前にご挨拶をさせて頂きました。その方に対して玉木社長は本当に優しい対応をされ「東京に来る機会があったら遠慮なくいつでもおいで!」と仰られました。私はその懐の深さ、広さにとにかく驚きました。それからも玉木社長とは何度かお会いしていますが、その度に本当に素晴らしい方だなという思いをもっています。そんなこともあり、厚かましくも今回の対談をぜひ!とお願いさせて頂いた次第です。今回は玉木社長から色々な話を聞き出す役割に徹したいと思います。

タマホーム成長の秘訣

司会

次は、特に玉木社長にお伺いしたいと思います。ズバリ、会社をここまで成長させられた秘訣をお教えください。

玉木

秘訣はございません。ただ、常日頃私が言っているのは「社員を可愛がれ」ということです。私たちの会社はお客様のお家をクリエイトする仕事をしていますが、私たちは常に“お客様の幸せをクリエイトする”という思いをもって仕事をしています。そんな私たちが社員を大事にしなければ、お客様の幸せをクリエイトすることなんてできません。

私の口癖は「木材より人財」です。木は家を作る材料だけど、人は会社の財産だよ、と常日頃から言っています。17年前、東証一部上場・売上一兆円・業界ナンバー1という3つの目標を胸に、社員3人で会社を創業しました。現在は売上1,500億、一昨年には東証一部に上場しました。まだまだ道半ばではございますが、ここまで来れたのは全て社員の皆さまのおかげです。

吉弘

以前に伺った、会社創業時の銀行との借り入れのやり取りについて、ぜひ皆さんに聞かせて頂きたいと思います。その際の発想が、弊社の社長と大変似ているところがあります。

玉木

家を建てるには1,500万~2,000万円かかりますが、それは前払いになります。先に払って後からもらう。つまり、運転資金がなければ建設の仕事はできません。10億円ぐらいの仕事をするには7~8億円の運転資金が必要です。私は裸一貫で会社を創業しました。

そのため、当時はお金も何もありません。当然銀行からの融資が必要です。しかし銀行にお願いしてもなかなか貸してくれません。「どうかお金を貸してください」「信用がないとお金を貸すことはできないんです。玉木さん、ご存知ですか?」「はい、重々承知しています。でも貸してください」、そんなやり取りをしていました。銀行から融資を得るには、モノの担保、人の担保(保証人)、そして信用が必要になります。何もない私にどうやったら融資を得られるか、考えついたのが生命保険でした。私の命しか担保はないと思い「2億円の生命保険に入るから1億円貸してほしい」とお願いし、何とか銀行から融資を頂くことができました。失敗したら死をも覚悟して恩を返す、そして何があっても社員を守る。そんな思いでした。そもそも創業者にまともな人はいませんから(笑)。

社員教育について

吉弘

玉木社長の話からは〝社員を大切にする〟という思いが色々なところから伝わってきます。その点は弊社も全く同じですが、タマホームの社員教育についてお聞かせください。

玉木

弊社では新卒内定者へ研修を行っています。研修は入社後のアンマッチによる退職をできる限り無くすことを目的に、タマホームとはどんな会社かをしっかり理解してもらえるようなカリキュラムになっています。

また、4月の入社式前には〝地獄の特訓〟をやっています(笑)。富士山のふもとにある研修学校に泊まり込み、厳しい環境の中で社会人としての心得を学ぶ研修を行っています。帰ってきた後はやっぱりシャキッとなりますね。やはり社員は宝ですから、社員の成長を常に考えながら教育しています。

吉弘

地獄の特訓、良いですね(笑)。社員教育について、弊社は副社長の林が身を粉にして取り組んでいます。中でも、外部の教育コンサルと毎週土日を使って行っているワークショップというものがあります。もう10数年続いていますが、その時代時代によって「今の社員にどんなスキルを身に付けてほしいか」「どんな人財へ成長してほしいか」を林と教育コンサルが徹底的にぶつけ合いながら、教育カリキュラムを決めています。毎週土日のワークショップでは林ももちろん参加し、若手社員の成長を後押ししています。

九州採用が多いこともあり、親御さんから離れて暮らす社員のために、私の手料理で少しでも元気を出してもらって、という思いで、これまで色々なイベントをやってきました。しかしその一方で、社員を「鍛える」ということも非常に大切だと感じています。そういう意味でこれまでワークショップを続けて参りましたし、またこれからは、リーダシップ力やコミュニケーション力を更に鍛えていかなければならない時代だと、今は感じているところです。

玉木

社内のイベントで言えば、我が社はカラオケ大会をよくやっています。音楽をやっていたこともあって、私自身カラオケが大好きなんです。地方の事業所に行く時は必ずカラオケ大会をやります。カラオケ大会がないと私は行かないと言います(笑)。その中で社員とコミュニケーションをとっています。今では私が歌っているところに割り込んできたり、「社長下手くそ!」という声が飛んできたりもしますが(笑)。

会社の広報活動

司会

タマホームさんの広報活動は、非常に印象に残ります。テレビCMでは、みのもんたさんや 木村拓哉さんのイメージが定着しています。また、東京ドーム、福岡ドームのバックネットには大きなロゴが描かれ、野球中継では常にテレビ画面に映し出されています。そして大相撲、特に横綱白鵬戦では多くの懸賞金を掛けられる、個人的にも非常に印象に残っています。こういった広報活動にはどういったお考え・狙いがあるのか、ぜひお教えください。

玉木

私たちの会社は建設業ではありますが、接客もしますのでサービス業であるとも言えます。分かり易く言えばスーパーやデパートの店員さんと一緒だと思っています。そのスーパーやデパートは、お客様にお店に来て頂かなければ商売は成り立ちませんね。そして、お客様に来て頂く為に、まずはお店を知って頂かなければなりません。その為に色々な形で会社のPRをしています。会社のPRは私たち商人の義務だと思ってやっています。

ちなみに、テレビCMで木村拓哉さんが歌っている曲は、実は私が作詞作曲したんです(ハッピーライフ♪ハッピーホーム♪タマホーム♪)。

司会

どれも本当に印象に残る宣伝をされておられると思います。弊社ではタマホームさんで言う木村拓哉さんの役柄を、京子代表がマスコットとして担っております。普段は帽子を被っており、「お帽子を被った方の会社」として、私たちの業界では知らない人はいない程です。

プロジェクト発表の感想

司会

本日のキックオフのプログラムの中で、弊社の注目プロジェクトの発表があり、玉木社長にもお聞き頂きました。その感想を少し頂けますでしょうか。

玉木

専門ではありませんので中身はどうこう言えませんが、若い方々が本当に丁寧に分かり易く説明されていたことに大変驚きました。
特に匂いの研究(九州大学との産学協同研究)の発表は生まれて初めて聞いた話で、とても興味を持ちました。素直に「あの研究所欲しいな~」と思ってしまいました(笑)。今夜夢に出てきそうです。

吉弘

弊社の総合研究所は11年前に「匂いの分野で社会に貢献したい」という社長の熱い思いのもとで立ち上がった組織です。
当初、大学の教授は協同研究に後ろ向きでしたが、社長の壮大な夢とそれに懸ける情熱を受け、教授自ら「ぜひ私にやらせて欲しい」と言われ、研究が始まっていきました。やはり情熱というものは相手に伝わるものですね。

上司の部下育成、基本動作について

司会

先ほど社員教育について少し伺いましたが、社員(部下)の育成についてヒントなどを頂ければと思います。

玉木


教育に対する私の大きな考え方として、まずは人のため、社会のために仕事をしているということです。何のためにしているのかを明確にもっていないと人は働けません。まずそれをしっかりもつこと、その上で「当たり前のことを当たり前にする」ことは、常日頃から厳しく教育しています。毎年、入社式で「タマホームの社員になる前に、立派な社会人になれ」と必ず言っています。

上司の方々に一つ言わせて頂くと「叱って使うは三流、褒めて使うは一流」です。どうか部下の良いところを伸ばしてやってください。

吉弘

今のお話、弊社では「ABC」(A:当たり前のことを、B:ボケッとしないで、C:ちゃんとやれ)と言っています。

社会人としての基本動作、特に礼儀作法については創業当初から厳しく教育してきました。創業時は同業他社と比べて技術力がありませんでした。その中で、何とかして他社と差別化を図り、お客様に「USEは残ってほしい」と言われるようにならなければならない。そこで考えたのが礼儀作法でした。挨拶、言葉遣い、身だしなみは、技術力が無くてもできます。これを会社として徹底し「礼儀作法で日本一!」を掲げて全社員で取り組んで参りました。
その成果は、間もなく起こったドルショック、オイルショックで早速現れました。H社様神奈川工場での大型コンピュータの保守の仕事において、弊社を除く全ての会社が契約を切られ、その後次々と倒産していきました。唯一残された弊社に対しお客様は「何万人という若者がいる工場の中、USEの社員はきちんとしているのですぐに分かる。是非ここに残ってほしい」という大変有難いお言葉を頂きました。
まさに「礼儀作法で日本一」を全社員で実践した成果だったと思っています。

先日、御社にお邪魔した際、社員の方々の元気の良い挨拶や誠実な接客など、お客様に対するたくさんの心づくしに感動しました。併せて、礼儀作法で日本一を目指した昔の決意を、今も全社員が持ち続け、実践できているのかなと振り返るきっかけになりました。ありがとうございました。

玉木

こちらこそ、今日は楽しい時間をありがとうございました。若い方々の素晴らしいプロジェクト発表まで聞かせてもらい、明日への活力が湧いてきました。
「世界のタマちゃん」を目指してこれからも頑張ります!

吉弘

私たちも頑張りますよ!

プロフィール

タマホーム株式会社
代表取締役社長 兼 CEO
玉木 康裕(たまき やすひろ)
タマホーム株式会社
代表取締役社長 兼 CEO
玉木 康裕(たまき やすひろ)

福岡県筑後市出身。
1973年、大学卒業後、実家の建設会社 筑後興産株式会社へ入社。
1980年、住宅建築事情を学ぶため渡米。ここで日米での住宅価格の差に衝撃を受け、コストパフォーマンスの高い住宅の提供を通じて、日本人の暮らしを豊かにすることを決意。
1998年、タマホーム株式会社を設立。代表取締役に就任。
2000年、福岡県筑後市久富にモデルハウス、事務所開設移転(第1号店)。
2002年、本社を福岡市博多駅東に移転。九州、中国地区に支店展開。
2005年、本社を東京都港区に移転。関東地区に支店展開。
2008年、年間戸建ご成約数1万件を突破。
2010年、「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エレクトリック2010」優秀賞受賞。
2011年、タマホーム株式会社 代表取締役社長 兼 CEOに就任。
2013年、東京証券取引所一部、福岡証券取引所に上場。i Tamahomeなど「グッドデザイン賞」5部門受賞。
2015年、全国各地260拠点に展示場をオープン。

株式会社ユー・エス・イー
代表取締役会長 吉弘 京子(よしひろ きょうこ)
株式会社ユー・エス・イー
代表取締役会長 吉弘 京子(よしひろ きょうこ)

福岡県久留米市出身。
1970年 学生時代の仲間3名と株式会社ユー・エス・イーを創業。同年、システム研究所を東京に開設
1985年 日本電信電話公社(現NTT)の民営化と共に、業者登録認定を受ける
1995年 NTTデータから「協力企業大賞」を受賞
1997年 一般社団法人日本自動認識システム協会主催「システムインテグレーション優秀賞」受賞
1998年 通産省(現経済産業省) SI企業認定を受ける。
2000年 ピープルソフト(現オラクル)を活用し、ERPで人事制度改革はソフト業界初の試みを行う
2000年 Salesforce.com Inc社を訪問し、翌年にSalesforceを社内導入
2002年 セールスフォース社とパートナー契約を締結。日本国内で多くの顧客にサービスを展開
2005年 ピープルソフト伝道師の「最優秀賞(Excellent Evangelist)」の評価を受ける
     “ピープルソフトのクィーン”の愛称で親しまれている
2005年 NTTデータから「協力企業大賞」を受賞
2018年 株式会社ユー・エス・イー 代表取締役会長(現職)
2019年 久留米商工会議所議員、ソフトウェア事業協同組合副理事長、ASPIC執行役員
     およびグループ会社2社、IT系ベンチャー企業への投資・支援を行う。

※役職や所属は取材当時のものになります